テクスチャて何だろう

 テクスチャ(texture)は、物の表面の質感を表す意味で使われます。ものを見るときにはものの形を見ますが、顔を近づけると表面の一部が見えます。遠目では木の板に見えますが、顔を近づけると木目でごつごつした形状が見えます。これがテクスチャです。

Camera Raw テクスチャて何だろう

 Camera Rawのバージョンアップで「基本補正」に「テクスチャ」が追加されました。「かすみの除去」に引き続き、今回、新たな項目が追加されました。 「かすみの除去」 は風景写真でスライダーを右に動かすと、青空がより深い青になり、遠くの霞んだ山がより鮮やかになります。静物写真でもより締まった写真になることもあります。「テクスチャ」はそれから比べると画像の変化は地味なように感じます。何がどのように変化するのか確かめてみました。

基本補正パネル テクスチャの位置

Camera Raw 基本補正のパネル
Camera Raw 基本補正のパネル

「テクスチャ」はCamera Rawフィルター 基本補正パネルにあります。赤い線で囲っています。

「テクスチャ」の効果

「テクスチャ」のパラメータを変えることによってどのような影響を与えるのか確かめるため、サンプルを作ってみました。真ん中の「0」が元の画像で、右の「+100」がスライダーを右端に動かした場合で、「-100」は左端に動かした場合です。

テクスチャのスライダーを動かした場合の効果の差

 右側に動かすと、表面の凹凸が強調されて影が濃くなっています。左側に動かすと表面の凹凸が目立たなくなっています。右側に動かすと表面の微細な構造が強調されて、左側に動かすと表面の微細な構造が消えます。ものの形にはあまり影響はありません。

より拡大してみると

 画像が小さすぎてよく解らないかもしれないので、拡大したサンプルを作ってみました。

元の画像

サンプルの元の画像 
元の画像

右端に動かした場合

「テクスチャ」のスライダーを右にいっぱい動かした場合の画像
「テクスチャ」のスライダーを右にいっぱい動かすと

左端に動かした場合

「テクスチャ」のスライダーを左にいっぱい動かした場合の画像
「テクスチャ」のスライダーを左にいっぱい動かすと

水彩画で「テクスチャ」をチェック

 今度は水彩画の部分で「テクスチャ」の効果をチェックしてみます。元の画像では、青は顔料の性質で粒状になっています。「テクスチャ」を右にいっぱい動かすと、より粒状感がきつくなります。白と青の境の感じは変化していません。「テクスチャ」を左にいっぱい動かすと、粒状感は無くなります。白と青の境はくっきりしていて、変化はしていません。青の濃淡が薄くなったのでコントラストは低くなったように見えますが、ボケたりはしていません。

元の画像

水彩画の部分を拡大したもの。青が粒状になっている。

「テクスチャ」を右にいっぱい+100

上の画像をテクスチャを+100にした画像。粒状感が増している。

「テクスチャ」を左にいっぱい-100

元の画像をテクスチャを-100にした場合。粒状感はほぼなくなっている。

テクスチャて

 Camera Rawのテクスチャて何でしょうか。あまりものの形や色に影響を与えないで、表面の細かな凹凸などを強調したり弱めたりすることができます。人の肌だと左に動かしてシミやしわを目立たなくすることができるかもしれません。いろいろな被写体で試してみるしかないですね。どんな場面で効果的に使えるのかまでは分かりません。「かすみの除去」でも風景だろうが物撮りだろうが構わずにやってみました。ほとんど影響のないものもありましたが、あまり効果がないと思われた、物撮りでもものによっては良い結果を得ることができました。

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