Live Home 3dを使った理由

 CGを再挑戦してみようとして、Blenderをインストールして使ってみましたが、覚えないといけないことが山ほどあるので、画像を出力するまでたどり着けませんでした。機能満載で解説本も数多く出版され情報が得やすいのですが、それにしても多くのことを覚えなくては使えません。もっと短時間で建物のデータを作れるソフトを探すことにしました。インテリアや建物の外観のCGが簡単にできる、実際の寸法で入力できる、値段が手頃、他のレンダリングソフトにデータを読み込ますことができるという条件に合ったのがLive Home 3dでした。実際に使ってみたので特徴をレポートします。

1. よいところ

1.これ一本で製作できる

 Live Home 3dは住宅に特化したCG画像をこれ一本で製作するこのできるソフトです。モデリング、マテリアル、太陽光を含めた照明の設定とレンダリングができます。レンダリングは静止画像と動画共に出力できます。さらにMAC版だとパストレーシングという手法でリアルな静止画像ができます。

2.数値入力できる

 CADと同様に実際の寸法で入力できます。窓の下端の高さや縦横の寸法を数値で入力できます。

3.多様な形式でデータの受け渡しができる

 一部、Pro版の機能ではありますが、ソフト間でデータを受け渡すことのできるFBX形式など多くの形式で出力することができるので、他のソフトでデータを読み込んでレンダリングすることができます。

4.プリセットデータが豊富

 家具や樹木など豊富なプリセットのオブジェクトやマテリアルを使うことができます。追加データも安価で売られています。

5.多様なデバイスに対応

 Mac、iPhone/iPad、Windows、Androidと多様なデバイスに対応しています。機能等はデバイスごとに異なるようです。

6.少ない操作数でモデリング

 住宅に特化しているので壁、床や屋根を自動生成してくれるので、少ない操作数でモデリングすることができます。窓やドアなども壁にドラッグ&ドロップするだけで配置することができます。メーカー作成のYouTubeを見て覚えるだけで基本的なことはできるようになります。私が一回で理解できなかったのは、「建築用ブロック」を使ってベランダを作るところくらいでした。

7.値段が安い

 値段もPro版でも追加のマテリアルなどを買ったとしても一万円を少し超える程度です。

8.階という概念がある

 Pro版は階数の制限が無いので、高層住宅などを作ることができます。基準階のオブジェクトをすべてコピーして上の階にペーストなどできます。階ごとに階高を設定することができるので、ロビーの有る地上階だけ階高を高くすることができます。

2. 使いにくいところ

1.自動生成が仇

 壁を描くと床・天井が自動生成されます。便利は便利なのですが、変更したくてもうまくできないことがあります。また、内壁に幅木と廻り縁が自動生成されるのですが、必要ないときには毎回「なし」にするのは面倒です。階段も床に自動的に穴を開けるので意に沿わないことがあります。

2.位置をきっちり合わせるのが苦手

 部材の寸法や高さなどは数値入力できるのですが、水平位置を直接、数値入力することはできません。

 「ガイド」(補助線)を使い数値入力して位置を決めて、これを使い位置決めはできます。

3.斜めの部材を設置するのは困難

 筋交いなどの斜めの部材を入れるのはほぼ無理そうです。天井を水平に貼らない平天井ではなく、構造が露出する勾配天井は難しそうです。

4.屋根瓦の立体感がない

 テクスチャで屋根瓦を表しているので平らな模様がついているだけで瓦の立体感はまるでありません。瓦の種類は少ないのでより立体感が出てオブジェクトが増えない方法はないのでしょうか。特に立体感に富んだスペイン瓦は再現できません。

5.情報量が乏しい

 日本語で使い方を調べたのですが、情報量はとても乏しいのが現状です。Youtubeで日本語の字幕入れたものを見たりはしました。基本的なことは覚えられるのですが、細かいところになると分かりませんでした。実際に使って試行錯誤してもよく理解できませんでした。特に、壁の種類に3種類あるのですが使い分けがわかりません。最後はメーカーのホームページからマニュアルを探してグーグル翻訳使ってようやく理解できたこともありました。orと書くべきところがofになっていたのでヘンテコな日本語が表示されましたが、原文読むと明らかにタイプミスということもありました。

さいごに

 100%自分のやりたいことがすべてできるソフトは存在しないだろうと思われるので妥協しないと永遠に自分が作りたい画像を作り出すことはできないので、ある程度の制約はしかたありません。たくさん売れて、さらに便利な機能が追加されることを期待しています。

 今回は特徴だけ解説しましたが、次回からは私がMAC版しか使っていないので、MAC用のLive Home Proを使って説明します。無料版とかスタンダード版とかあるが一番高いPro版でも一万円以下なのでハードルは低いかと思います。マテリアルの編集などのPro版の機能はやや階層が深くなるので見つけにくくなっています。といっても右クリックするだけですが。また、MAC版ではレンダリングでよりリアルな静止画像ができるパストレーシングが使えます。

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