Photoshop スタイルの適用で下絵

スタイルの適用で下絵作成

 「スタイルの適用」 はPhotoshop 「ニューラルフィルター」の一部です。参考とする画像のスタイルに合わせて、画像を加工することができます。プリセットで浮世絵だとかゴッホの絵などがあり、自分で撮影した写真を浮世絵風やゴッホ風に加工することができます。また、自分で作成した画像も「カスタム」として使うことができます。細いペンで輪郭線をなぞったような画像を参考にすれば、写真から絵の下絵が自動的に生成できるのではと考え試してみました。

 上質紙に細いペンで輪郭線を描いてスキャナーでJPEGファイルにして、これをスタイルの適用時に読み込むという手順です。

 結論としてはそれなりにうまく輪郭線を検出して下絵らしい下絵ができました。

スタイルの適用のやり方

 まず最初にスタイルの適用の手順を説明します。下絵を作成したい写真のあるレイヤーが指定されているのか確認します。次にプルダウンメニューから「フィルター」「ニューラルフィルター」を選択します。ニューラルフィルターのパネルが表示されます。このパネルの「スタイルの適用」(緑枠で囲っている) スタイルの適用の文字の左側にあるスウィッチのようなアイコンの右側をクリックします。灰色から青色に変わったらOKです。次にカスタム(赤枠で囲っている)をクリックします。

 なお、初め使用する場合は、ダウンロードが必要です。

スタイルの適用パネル

 「画像を選択」(青枠で囲っている)をクリックして参照画像を選択するとOKボタンが灰色になります。選択したら数分待ちOKボタン(黄枠で囲っている)が灰色から青色に変わってから、OKボタンをクリックすると目的の画像が新規レイヤーに作成されます。まず、PSD形式で保存しましょう。これだけです。簡単ですね。

参照画像と生成された画像

1.参照画像を縦線と横線にした場合

参照画像 縦線と横線
参照画像 縦線と横線

 上の画像は参照画像です。下はその結果です。縦横の線はそれなりに描かれていますが、斜めの線や細かい部分は描かれてはいません。参照画像は見本なので、細い輪郭線が描かれるためには細い縦線や横線だけでも行けるかと思いましたが、そうではなかったようです。

縦線と横線を参照画像とした場合の加工された画像

2.参照画像を縦線と横線に加えて斜め線などを加えた場合

縦線と横線に斜め線などを追加

 1の画像に斜め線を加えてみました。斜めの線も増えてより輪郭線が細かく描かれています。

縦線と横線に斜め線を加えた参照画像で加工した画像

3.参照画像を建物の輪郭線にした場合

建物の輪郭線を引いた参照画像
建物の輪郭線を参照画像

 建物の輪郭線を細いペンで描いた画像を参照画像とした場合の結果です。だいぶ、絵の下絵らしくなってきました。これだと上に彩色してもよさそうです。

建物の輪郭線を引いた参照画像で加工して生成した画像

参照画像の作成と注意点

 上質紙に細いペンで建物の輪郭線を描いた絵をスキャナーで読み込みました。また、単純に縦横に線を引いたものやそれに斜めの線を加えたものなど複数作成して、スタイルを適用してみました。スタイルだけ真似するのであれば、縦線や横線でも同じ結果が得られるかもとテストしてみました。スタイルを適用した結果を比較すると、一番、下絵のイメージに近かったのは、建物の輪郭線を描いたものでした。

スキャンするときの色モード

 白黒の2値モードでスキャンしたらほとんど元画像と変換結果の画像とは変化はありませんでしたので、1677万色でスキャンしたものを使っています。256色は試してはいません。

参照画像をpng形式で透明を使う場合の注意点

 png形式は「透明」を含むことができます。スタイルの適用では透明は元となる画像をそのまま残すという意味になるようで、スタイルの変化は微妙なほど少なくなります。背景を透明ではなく白や黒などで塗りつぶした画像を参照画像とするべきです。今回は、白地に黒細線に描くペン画のようにしたかったので地(背景)は白にしています。

参照画像を読み込むときの注意点

 読み込むときにデフォルトではpng形式を読み込むようになっているので、読み込む形式をjpgに変更します。フォルダを開いて読み込めるファイルが無い場合は拡張子を変更すると表示されます。JPEGの拡張子も2種類あるので作成したファイルの拡張子に合わせます。

 Windowsの場合、フォルダーの種類を「ピクチャー」にしないと画像を見て選ぶことはできません。ファイル名から選択することになります。プロパティでフォルダーの種類を 「ピクチャー」 に変更しましょう。

さいごに

 「スタイルの適用」でプリセットを使うだけだと、一回試してこんなものかとその後はお蔵入りになりそうな機能ですが、突然、輪郭線を描いて下絵を作成できないかと思いついて試してみました。Photoshopでも昔からフィルターに「輪郭のトレース」とか「輪郭検出」はありありますが、頻繁に使われる機能ではありません。

 カスタム参照画像を使ってもっと面白いことができるのかもしれません。

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